肺高血圧症治療ガイドライン(2012年改訂版)
Guidelines for Treatment of Pulmonary Hypertension(JCS2012)
 
8 CT・MRI
 高分解能CT(HRCT)はIPAHとPVOD/PCHとの鑑別,間質性肺疾患や肺気腫の評価に用いられる.軽微な間質性肺病変では,胸部X線写真では明らかでなくともHRCTで初めて存在が証明されることもあり,結合組織病に伴うPAHでは実施することが望ましい.

 造影CTはCTEPHの診断およびその外科的治療法である血栓内膜摘除術の適応決定のため,血栓の存在部位を明らかにする方法として肺動脈造影とともに有用である.

 MRI により両心機能と右室肥大の評価が可能である.具体的には両心室の拡張終期容積,収縮終期容積,心筋量が計測され,これらのデータから1回拍出量,心拍出量,駆出率が計算で求められる.
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