肺高血圧症治療ガイドライン(2012年改訂版)
Guidelines for Treatment of Pulmonary Hypertension(JCS2012)
 
 肺動脈圧の評価には使用できないが,肺高血圧症の原因検索において,特にCTEPHの診断には有用である.ただし,肺血流シンチグラムは血流障害部位の検出に有用であるが,無気肺,肺気腫,肺炎などの肺実質病変部位でも血流欠損を生じる.そこで換気シンチグラムを同時に撮像するか,胸部X線や胸部CTといった他の画像を併用し,肺実質病変の有無も評価する.CTEPHや血管炎など肺血管の狭窄や閉塞がある場合には,血流障害部位のみが楔状血流欠損像として描出され,他の画像で異常が認めらない.PAHでは肺換気─血流シンチグラムは正常の場合も多いが,換気─血流ミスマッチを伴う末梢の小さな血流欠損や血流の小斑状不均一分布(mottled pattern)がみられることがある.
7 肺換気-血流シンチグラム
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